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アメリカ空軍は再度の呼びかけと、戦闘機の出動を、同時進行する事にした。
今や完全にアンノウンと認定されたそれは、様々な方法でその正体が探られた。民間の飛行機全てのフライトプランを、数十名のスタッフと、5台のスーパーコンピューターで調べつくし、少なくとも、アメリカの領空内には行方不明機は1機も無いと知れると、もう少し悪い可能性を想定する必要が出て来た。アクティブステルス戦闘機の、何らかの故障による露呈で有る。
これは、アメリカにとって最悪のシナリオの一つだった。レーダーに移るアンノウンの高度は、地上から約150m。地上から丸見えの高さだが、アクティブステルスには関係が無い。アクティブステルスはその名が示すように、能動的に自身の状態を熱光学的に、周囲へ溶け込ませるのだ。その技術を持つ国は、片手の指より少ない。
それがアメリカ領空をワシントンに向け進む、その意味を予感した基地の作戦司令室は凍りついた。第3次世界大戦など、有ってはならない事だからだ。
そんな嫌な空気が漂い出した頃。アンノウンへ向け飛び立った、2機のアメリカ空軍のアクティブステルス戦闘機〈AF‐1・アーチャー〉が。アンノウンとの距離をいよいよ縮め、光学カメラが対象を捉えたとの報告を入れて来た。
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