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『こちらガイド1!目標を光学カメラで捉えた、見えるか?
信じられない……何だあれは……』
その時、中央管制室にアーチャーから送られた映像に、誰もが目を疑った。
夜だった事もあり、映像は赤外線カメラからの映像だけだった。夜の冷めた空気が深い紺に染まり、浮き立たせるアンノウンの色は、ほとんどが高温を示す白に表示され、その輪郭をなぞるように赤いグラデーションが包んでいた。
驚いたのはその温度では無く、その形だった。アンノウンは人の形をして居たのだ。胴体から生えた四肢と頭、細部は赤外線カメラでは分からないが、熱探知され白く輝くその姿に、中央管制室内は静寂に包まれた、
「フライングヒューマン……」
そんな20世紀の与太話を漏らしたオペレーターは、指揮官の一喝に伏した。
「ふざけるな!
ガイド1アンノウンとコンタクトしろ!」
『了解!』
未だ事態をつかみかねて居た軍は、夜だった事も有り、その件の指揮官にたまたま中央管制室に居た大佐を一任した。もちろんそれは最終的な決断をさせる訳では無く、あくまでも現場指揮官として緊急措置として任命されたに過ぎず。上から命令があれば、すぐにそれを実行する役割でしか無かった。
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