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「あぁぁ てめぇ アニキに勝てっとおもってんのかよ」
真っ先に口走った奴はやっぱり弟だった。
他の先輩達も同時に俺を囲んだ
「まぁ いいだろうここじゃ目立つから裏にこいや」
柏木のアニキは俺を裏通りのあまり人気のないとこに連れて行った。
相変わらず先輩共に囲まれてやりにくい状況だったが
香澄はこのときを待っていたのだ。
こいつの頭を潰せば弱い者が少しでも叩かれなくなる。
しかしこいつは強い事も分かる。
勝ち目のない喧嘩をやるのも無謀だ。
それもこいつにもし勝ってもこんな囲まれた状況じゃ生きて帰れる保証もない。
香澄は不利な状況に喧嘩を挑んだ。
頭に一番早くたどり着き1対1の喧嘩をすることだけを考えていたのだ。
「どうした?掛かってこねぇのか?」
「やっぱり怖くなってチビったか?」
周りが笑って柏木のアニキが油断したそのときだった。
俺は柏木の顔面を狙って拳を握り殴りつけた。
やはり油断していたのか不意をつかれて俺の一撃が綺麗にはいった。
香澄は元々運動神経は割と高いほうで動きもなかなかの機敏だ。
「てめぇ 卑怯だぞ」
囲んでた奴らの誰かが俺を卑怯扱いだ?
囲みは卑怯じゃねぇのか?
掛かってこいって言ったのは奴だぞ。
柏木のアニキは口から少し血をだしてこっちを睨みつけた。
「おい‥そいつを抑えつけろや」
柏木のアニキはもうキレてしまっていた。
抑えつけろの言葉で柏木の弟がヘラヘラ笑いながら俺を一番に抑えつけにきたその瞬間だった。
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