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その言葉、紅色をして。
オレンジと黒と、赤と緑と とぱあず色の、醜く蠢くカオスが見える。その瞬間に君。
「僕は貴女が嫌いです」
なんて素敵で美しい言葉。色と色との濁々として、流れて混ざるその中に、つぷんとはじけて散った紅。鮮やかな紅。
まぶたの裏にあるこれは、唯とうとうと流れ行く、血の色をした時なのだ。いつか黒々と絶え乾き、見ぬ不利をして忘れ行く、血の色をした時なのだ。
胸裂きて、君遠く。
咲きて散り行く。
その時に。君。
「僕は貴女が嫌いです」
なんて悲しく美しい言葉。
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