砕けた歯車[戻される]

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奏「四ッッがーーーつ!!」 四月一日… 心躍る新春の始まりだ。 それだけじゃない。 私は先月、中学校を卒業した。 と、いうことは、今月八日は私の入学式だ! しかも! あの名門校『桜坂女学園』に受かったー!! …え? どこかって? 東京のどっかよ! 私は奏! 空蝉奏(うつせみ かなで)!! なんか空蝉って、蝉の抜け殻って意味なんだって。 変な名前。 小雪「テンションが高いのね、空蝉?」 奏「私がその名字嫌いだって知ってるでしょ?雪ちゃん?」 私の隣にいるのは冬空小雪(ふゆぞら こゆき)。 通称「雪ちゃん」。 私達はちょっと高校の新学期の為いろいろな物を買い揃えに買い物しに来た。 小雪「くっふふ、ごめんなさい。奏があまりにも嬉しそうだったから…」 クスクスと笑う小雪の白い頬が少し赤らめた。 多分小雪は美人の部類に入るのね…。 チラチラと周りの男が小雪を見てるわ。 小雪「あ、見てください奏!この本、とても素敵じゃなくて?!」 小雪がしゃがみ込んで指差す方向に、少し変わった模様の金具で覆われた本が置いてあった。 小雪はアンティーク好きだから、こういうのは大好物だろうなぁ。 私が手にとって開いてみると、中身は真っ白。 なにも書いていない真っ白な白紙だった。 どうやらこのお店は中古屋らしく他にも色々な家具や、年代物そうなテレビやら見たことがある題名の分厚い本などが置いてある。 …が、少し様子がおかしい。 商品には『半額』の札がベタベタと沢山貼られていた。 キャーキャー小雪が騒いでいると奥から店長らしき人が出てきた。 店長「いらっしゃい。お嬢ちゃんそれが気に入ったかい?」 髭をはやし、頭はタオルをバンダナのようにしてかぶった中年男が笑いながら近づいてきた。 小雪「ハイッ!」 それはもう太陽の様な笑顔だ。 惚れるぜ! 店長「良かったらあげるよ。もう今日でこの店閉めるからね」 _
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