5人が本棚に入れています
本棚に追加
小雪「本当ですか!?いやったー!!」
少しくらい遠慮しなよ…。
小雪は、結構良いところのお嬢様で城を持ってるいとこもいるらしい。
吉田…だっけ?
確かええっと、ギャラクシーコーポレーションって会社だっけ?
まぁかなりお金持ちなのに、貰えるものは躊躇なく貰うのよね…。
奏「どうもすみません…」
店長「いいんだよ。それもいつの間にかあったやつだからね。多分店前に捨てられたやつと混じっちゃったんだろう」
捨てられたのを売ってたのかよ。
でも貰うからには黙っている。
なるほど…、閉店の理由はこれだな。
小雪「ありがとうございます!そうだわ奏!高校生になったらこれで交換ノートを始めましょう!」
奏「交換ノート?」
交換ノートて…、今頃はやらないよ。
と言おうと思ったが、小雪の目はそれはもう七色に輝いている…。
奏「…まぁ…、うん、良いんじゃない?」
小雪「やったー!」
ああ…。
この笑顔が見られるならばなにもいらない…(悦)
小雪「あ、そうだ。ねぇ奏?これは入学式まであなたが持って下さらない?」
奏「え?いいの?」
小雪「ええ!私、入学式ギリギリまでお父様がいるイギリスまで行かなくてはならなくて…。お父様、せめて最後の一週間くらいこっちに来いって電話越しで泣いてて…。それに一緒に持って無くしても困るし、置いてって盗まれたら困るし…」
お父さん、相当寂しいのね…。
そして心配性過ぎるわ…。
奏「…オッケー分かった。そんな理由じゃ仕方ないね」
そして私は本を受け取り、小雪と別れた。
小雪が歩く方向の遠くにリムジンが止まっている…。
きっとそれで空港に行くのだろうと思った。
そこが、運命の別れ道とは気付かずに…。
_
最初のコメントを投稿しよう!