砕けた歯車[戻される]

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奏「……ハッ………ハッ…………ハッ………ハッ………」 プ・プ・プ・プ~! プ・プ・プ・プ~! 母「あら電話?こんな時間に?」 ……なにが起きた…!? おかしい…! 視界が戻ってる…! それどころか全部…! 全部戻ってる…??!!! 私は椅子に座ってるしお箸も握っている! 食べかけたご飯も口に入ってる! 口からポロポロとこぼれるご飯粒の量が尋常じゃない。 琴音「……大丈夫?お姉ちゃん?」 奏「う…うん!平気平気!あはははは…!!」 何が起こったのかわからないままテーブルのご飯粒を拭き取る。 母「はぁ?!雨で帰れないぃ?!」 母のかん高い声が、リビングに響く。 外を見ると、まるで台風でも通っているのような豪雨が降っていた。 母「あ~た(あんた)ね!今日は雨凄いから傘持って行けって言ったでしょ!?」 父『あれ?そーだったっけか?』 母の怒号をまるで気にしないように、電話越しの父の声はかなり気楽だった。 母「いやよ!行かないからね!迎えになんて行かないからね!?どうせ麻雀で勝ったんでしょ!?タクシーで帰ってきなさいよ!!」 父『いや~、それがね~、みんなのお土産やお前にプレゼントと思って勝った花束のせいでスッカラカンになっちゃってさ~。早くしないと花枯れちゃ』 母「ちょっと何やってんのよ奏!早くパパを迎えに行きなさい!!!」 私かよ…!? 自分で行けっつーの…。 奏「え~、私ちょっと気分悪いんだけど…」 嘘じゃない。 実際幻覚見たし。 父『ママに来て欲しいなぁ~?』 母「ちょっと行って来るねー!!!」 バタンッ! 母はソッコー着替えてクソ有頂天な顔で出て行った。 奏「可愛い❤」 琴音「笑えないよ」 そんな事があり、あの事はキレイサッパリ忘れた。 私はまだ気付かない。 これから多々起きる異変現象が、 とても重要な選択肢であった事に…。 _
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