気にくわねェ…。

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「うわ…っ」 ベシャッ ―― 転んでしまった。 だせェ…。 一つ大きなため息をつき立ち上がろうとすると、 「…っ!!」 転んだはずみで足をくじいたらしく、うまく立つことができない。 それでも近くの木につかまってなんとか立つと、 無我夢中で走ったせいか、 そこは今まで見たこともない場所だった。 「…ここ、どこ?」 辺りを見回しても人一人見当たらない。 「姉上、近藤さん…。」 足の痛みに耐えられず、 また木に寄りかかりヘナヘナと座った。 「…っ」 気が付くと、涙が頬をつたっていた。 …ばちがあたったんだ。 姉上にあんなひどいこと言ったから。 傷つけてしまったから。 俺ァほんとは、寂しかっただけなのに…。 「…総悟?」 頭の上で低い声がした。 「土方さ…っ」 見知った声に、思わず顔をあげてしまった。 そしてすぐに後悔する。 俺はこいつにムカついてんのに…。 「ど-した?足ケガしてんのか?」 「………まァ。」 小さく肯定すると、いきなりおんぶをされた。  
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