12371人が本棚に入れています
本棚に追加
女性はそういうと机の上に置いてあるガラクタを漁り始めた。
「これは何?」
女性はガラクタの中からハートの形をした一粒の薬を見つけた。
「それは【思い伝え薬】です」
「何それ!! 何か良さそう!! どうゆう薬なの?」
「その薬に口づけをして相手に飲ませると、その人はあなたがいだいていた気持ちと同じ気持ちになります」
「ええ!! 私と同じ気持ち!? ってことは高梨さんと相思相愛になれるのね?」
男は黙って座っている。
「買うわ!! いくら!?」
「五万円でございます」
「少し高いけど……問題ないわ!! 高梨さんを私のものに出来るんですもの!!」
女性はそういうと代金を払い、薬を持って上機嫌で帰っていった。
次の日。
男は昨日と同じ場所に店を開いていた。
夜も更けてきた頃、昨日と同じ客がやって来た。
顔は真っ赤である。
大激怒しているようだった。
「ちょっと!! どういうことよ!! あの薬使ったら高梨さんナルシストになっちゃったわ!!」
女性は机を叩いて男に怒鳴った。
「私はいったはずです。“あなたと同じ気持ちになる"と」
つまり、彼女の高梨のことが好きな気持ちと同じ気持ちになるということは、高梨が高梨のことを好きになるということだ。
「そんなの詐欺よ!! ふざけないで!!」
その時、男のケータイに電話がかかってきた。
最初のコメントを投稿しよう!