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「おはようございます。昨日は良くお眠りになられましたでしょうか?」
がしりと私の肩を何者かが掴み、不思議な挨拶をかましてきた。
私は男子高校生ながら些か低めの背丈である。ネックではあるもののそこまで気にしてはいない。
声では性別は判別しづらかった。幼さの残る中性的な声。おおよそ小学校六年生から中学校一年生ぐらいだと思う。
しかしその幼さを残す声とはかけ離れた力が肩に感じられた。
振り向いて注意してやろうと私は思った。
首を後ろに向け、声の主を見る。
「ひっ!」
声が漏れた。当然だ。声の主は少年だった。丁度私の肩ほどまでの身長。手を私の肩にのせている。
しかし、私は恐怖を感じた。理由は目。眼球だ。
目がでかい。いや、瞼がない。だからだろう。少年の目は赤く充血していた。もはや白目は存在していなかった。
にやりと微笑んだ少年の唇は……。耳元まで裂けていた。
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