蔭人用語解説

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  【蔭人(かげびと)】  廻間世界に存在する唯一の住人。どこの世界にも属さないが為に神々や世界の理に囚われることはおろか制御もされなければ制限も受け付けず、世界の法則性や理そのものからも外れしイレギュラーな者達(異端者)。しかし“廻間ノ戒”の存在により彼らも直接世界の事柄に関与するのは原則許されていない。  廻間回路と呼ばれる移動手段を使って他の異世界を往来出来る。  あくまでも中立主義を謳い他の異世界やその住人に対しての依存性は基本的に皆無。積極的な関与はあまりしない。  しかし蔭人によっては己の技量や質を高めるために外界の知識や技術を得ようと“人間”として街に紛れる者、興味と趣味の赴くままに外界の人間や騒動に首を突っ込む者、世界の国々で起きた出来事や歴史を記録しそれを何らかの形で後世に伝える役割を担う者など特にこれと言ったスタイルはない自由気儘な生活をしている。  本来は『幾千億ある数多の異世界同士の均衡(=次元の狭間の安定)を維持、並びに世界に属する住人に少しだけ力を貸す事』が主な仕事。  無論「世界が消滅することなくバランスさえ取れていればその行く末がどうなろうと構わない」「そもそも世界やそこの住人には興味がない」と言い切って傍観を決め込む者もいるのでその辺りは個人の性格によりけり。   大半の者が人間とは比にならない程の悠久の時を生きており、その姿は殆ど変わっていない事から俗にいう“不老長寿の存在”である模様。しかも廻間世界自体の時間経過もあやふやな為一体どれ程生きているのかは検討もつかない。  大半の者が人間の容姿をしている為パッと見は人間だが、勘の鋭い者であればその独特な雰囲気で只の人間でない事を見抜くのも不可能ではない。  長寿故に物事に達観している者が多く何事にも揺るがない頑丈な精神力(メンタル面)や人間を凌駕する身体能力を持ち、傷を負ってもすぐに塞がる驚異的な自然治癒力と生命力、負荷となる状態異常・状態変化を受け付けない体質である事が報告されている。  しかし確実に言えることは数多の世界の住人とは一線を引いている中立主義者の集まり、そしてその実体や情報はどの世界にも存在しない謎の集団と言える人種である事。  蔭人がいつの頃から存在しているのかは謎だが、『蔭人』の由来は光に属する者でも闇の眷属でもない“陰(蔭)”の存在の者というのが正しい。
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