蔭人用語解説

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  【廻間世界(はざませかい)】  数多の世界と世界を隔てた次元の狭間…境界の最果てにある世界。次元に存在する世界の時間の果てと、時間の始まりを観察できる場所。世界と称されるが実際は次元(狭間)空間の最果て(底)である為、世界という分類には入らない。故に本来の名称は廻間世界ではなく“境界の廻間”。  昼・夜の時間帯が短く朝・夕方の時間帯が長いという独特な時間の流れであり、午前は夜明け空、午後は夕焼け空のことが多い。  廃屋の神殿を元に創られたどこか幻想的なものを感じさせる神秘的な雰囲気を漂わす中世の街並みが特徴であり、街を抜けた先には小さな森、そしてその森の奥には巨大な大樹が聳(そび)え立つ丘がある。  街は意外にも活気づいているようで、時には市場で廻間世界でしか見られない物や数多の異世界の品々が大安売りされている程。  基本この場所に繋がる入り口は時空間の何処にも存在し無いため訪れるのは非常に困難極まりなく、また廻間世界の影の管理者であるテクノカルトが施した何重ものセキュリティーシステム(という名の情報操作と神力による術式)により廻間世界自体に侵入することはおろか、どのような手段を用いても関知すら不可能だと云われている。元よりテクノカルトの力がなくとも世界の法則性や理そのものからも外れた境界(廻間)である為に他からの干渉を受けないのは道理なのだが。  しかし、蔭人の同意と同行があれば容易に訪れることができる。  尚…時折時空間の歪みにより迷い込む者もいるらしいのだが、それが悪意を持った者の場合は《刻影》の者達により始末されているという噂も。  だが、その真相は闇の中ならぬ廻間の中である。
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