~プロローグ~

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  暗闇の中、照らしだされた一台のピアノ。 白鍵が眩しく光る。 白いドレスに身を纏い、私は一歩前に踏み出した。 私が姿を現すとともに、大勢の人々の拍手の音がホールに鳴り響く。 舞台中央に立ち、一番良く見える場所に居る彼を確認すると自然と笑顔になった。 彼も優しく微笑みかけてくれた。 ピアノの前に座る。 先程までの騒がしい音がピタリと止んだ。 ピアノに手をかけると、会場に居る全ての人が息を呑むのがわかる。 《この音色が貴方に届きますように・・・》 優しい音色が響き渡る・・・  
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