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-10年前。
「やっぱり若葉ちゃんは“天才”ね!」
「うちの子とは大違いやわぁ。」
「そうそう。
若葉ちゃんは持って生まれた“才能”があるもの!」
「若葉ちゃんみたいな“才能”の持ち主にうちの子が敵うわけないわ。」
「当たり前じゃない!
若葉ちゃんは“天才”だもの。
私ら庶民とは違うのよ。」
-“天才”“才能がある”
生まれた時から言われつづけたこの言葉。
私には苦痛でしかなかった。
《私は“天才”なんかじゃない!
私に“才能”なんてない!!
・・・皆が言う“天才”は私みたいな子に言うものじゃない!!!》
私はスカートの裾を握り締め、そう言いたいのを堪える。
「私も皆と同じ様に努力してきたのに・・・」
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