~第1章 傷付いた鍵盤~

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  私はこの秋行われた、いつもは参加していない小さなコンクールに出場した。 当然、今まであれだけのコンクールを優勝し続けた私が優勝しないはずがない! ・・・と思っていた。 結果は2位。 《有り得ない・・・》 全身が震えた。 ショックだからではない。 母が・・・怖いのだ。 母は人一倍プライドが高い。 自分のプライドを傷付けたものは絶対許さない。 家に帰った後何をされるのか考えると、怖かった。 あまりの恐怖に前を向けなかった。 優勝した奴の顔なんか見れなかった。 何か話していたようだが、何も耳には入ってなんかこなかった。  
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