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「……普通に美味しかったぞ?」
「茅島、死にたくなかったら黙っとけ」
「あっすみません……」
忍は、忍には全く似合わない体育座りをして俺の方を睨んでいた。
お世辞を言うな、俺の料理などアイスより冷たいんだと言わんばかりに睨んでくる忍。
渡に指摘されたのがよっぽど悔しかったのか、さっきの俺より落ち込んでいるように思える。
でも料理自体はホントに美味しかった。
中にスープがしっかり染み込んでいて、さすが得意料理と言っただけの事はあった。
……まあ……冷めてたけどさ……
「で、幸助!得点の方をお願いします!」
「えっ?」
「3、2、1!」
渡からの無茶振り。
そりゃ順位はつけなきゃいけないけどさ……
得点か~、まあ他の人と比べなきゃいけないし妥当な線でいくか。
「80点かな」
俺がそう言うと、渡はニヤニヤしながら忍の肩を叩いた。
「だってさ~、テストで90点未満取った事ない男が80点………ププッ!」
「テメエ!黙って聞いてりゃペラペラと偉そうに!」
「うわぁ、忍君怒っちゃったぞ?逃げちゃえ!」
「逃がすか!」
お願いです。家の中で鬼ごっこなんてしないで下さい。
あの正樹が引いてます。
何とか忍の暴走が収まり一段落する俺。
まあ止めたのは沙羅だけどさ……
喧嘩両成敗って言って、お互いに謝らすんだからカッコイイよな。
俺?
正樹の後ろにいたけど何か?
まあいいや、次がある意味正念場だ!
「さてさて、私の番ね~」
皆さん、俺の帰還を心よりお祈り下さい。
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