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その言葉で瞬時に沙羅から離れた。
それよりここにいるはずのない声が聞こえるのは何故だろうか?
「どうした?私に気にせずいちゃついて構わないぞ?」
「なんで椿さんがここにいるんですか?」
俺達一年、椿さん二年。
俺達水泳、椿さん多分他の授業。
うん、俺の質問は何にもおかしくない!
「なんでって監視員だからいるに決まってるじゃないか」
「監視員?」
「そうだ。この学校のプールは広いからな、先生一人では監視が行き届かない場合もあるという考えのもとだ」
……成る程ね、確かに先生一人じゃ難しいか……
「いやいや違う違う。椿さん授業ないんですか?」
理由とかどうでもいいんッスよ、何故に椿さん?
「普通にやってるぞ?」
「えっ!?それなら授業はどうするんですか!?
てかどうやって椿さんが監視員認められたんですか!?」
先生が授業のある生徒に任せるはずがない。
面倒でも他の先生が来るのが普通だろう……
というわけで椿さんに質問した。
「フフフフフフフフフ、知りたいか?」
「いいですすみません」
……これを聞いた時、俺は俺じゃなくなる気がする……
そのいつもより多いフの数がそれを物語っている……と思う……
「で、椿さんは俺達にちょっかい掛けにきただけなんですか?」
「まあそれが9割を占めているが一応知らせとこうかなと思ってな」
9割ですって奥さん。
もう完全に狙ってましたよね?
……あーあ、もう少し沙羅抱きしめたかったな……
「知らせ?」
感傷に浸っていた俺の代わりに、沙羅が椿さんに尋ねていた。
さすが沙羅、後で頭を撫でであげよう。
「ああ、少しは水に浸かっておいた方がいいぞ?この後に記録会に支障が出てはいけないからな」
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