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「……………ん…!」
……あれ、何か聞こえる。
そういえば俺何してたんだっけ?
「幸助君!」
「………えっ?」
俺を呼ぶ声に瞬間的に目を開いた俺。
どうやら気絶していたらしい。
「幸助君……よかったぁ……」
俺の視界には堪えていたであろう涙を解き放つ愛しい人の姿。
……沙羅が覗き込むように俺を見ていた。
思わず谷間に目がいったのは俺だけの大切な思い出だ。
「まったく……意味深な発言をすると思ったらこういう事か………泳げないならそう言えばいいだろ!」
強い口調で言う椿さんに無意識にびくついてしまう。
……そっか……俺溺れたのか……
そりゃ怒られても仕方ないな……
「……すみません」
俺はねっころがった状態のまま、椿さんに謝った。
どうやら場所は、プールサイドの隅で、記録会は滞りなく続いているようだった。
「礼なら沙羅に言うんだな。沙羅が直ぐさま人工呼…「椿さん!!」
椿さんの発言をものすごい勢いで制止する沙羅。
顔をすごく真っ赤にして椿さんに×のサインを出している。
何かあったのだろうか?
「ふふっ、まあいい。私は誰かさんのせいで倒れてしまった男子達の救護で忙しいんだ。外させてもらうぞ?」
そう言って椿さんは向こう側で倒れている男子達のところへ向かった。
よく見えないが、倒れている男子は10人は越えているように思える。
マジで何があったんだ?
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