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俺が痺れで動けなかった時、視界に入ったのは沙羅一人。
しかしながら、俺が沙羅に肩を借りながら立ち上がると、何故か玄関には見知らぬ四足の靴が並んでいた。
中に入れば当たり前のようにくつろいでいる愉快な仲間達。
沙羅言わく、俺が倒れていた間に入ったらしいが、俺が倒れたのはもちろん玄関。人が通れば倒れていても、床に映る影で絶対に気付く自信がある。
俺はその事を沙羅に言ってみるが、沙羅は苦笑いするだけで何も言ってくれない。
……こういう時って、なんだか孤独を感じるよね……?
いいさ別に!
なんてたって孤児院の管理人はあの梢さんだぜ?
梢チルドレンが何できたっておかしくない、そうだ決しておかしくない。
でも美砂ちゃん、君だけは正常であれ……
「で、なんで皆がいる訳?」
とりあえず本題に戻る俺、沙羅にしか言ってないのにどうしてでしょうか?
「えっとね、私が皆に言ったら是非ともお祝いしたいって言うの!なんだか私も嬉しくなっちゃって連れて来ちゃった!」
そっかぁ、沙羅が呼んできたのか……
俺は沙羅と二人きりが良かったんだけど、沙羅は違ったのかな……
おっと、もしかしたら皆さんは今、せっかく四人が祝いに来たんだから素直に喜べよこのムッツリカナヅチ野郎とか思ってるんじゃないでしょうか?
確かに、彼らが純粋な気持ちで祝いに来たのなら、沙羅云々は置いといて素直に喜べるのだろう。
だが俺は見てしまった。
四人が同時に中途半端な笑顔で俺を見ていた事……
何か企んでいると言わんばかりの顔を……
分かるかい?
今俺の家には、体内に化け物を飼っている人間が四人も入っているんだ、素直には喜べませんよ……
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