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「そういえば皆バッグ持ってきてるけど何かあるの?」
沙羅以外の四人を帰したい気持ちを抑え、ふと気になった事を口にしてみた。
すると、全員がピクリと反応した。
……あれ?変な事言ったか……?
「……まったく、幸助は気付くのが遅いぜ。これこそが俺達が来た理由の一つでもあるんだからな」
腰に手を当て、どこかの方角を指差しながら格好つけて言う渡。
でもカッコイイので、イケメンは反則だと思います。
しかしなんだ?この四人が来た目的って?
俺を祝いに…………来たんだよな……?
俺の脳内で不安が入り乱れる中、渡がそのまま言葉を続けた。
「……事の発端は3時間前、沙羅が幸助の為の夕食を作っていた時の事だった。その時俺達は、やる事がなかったから横から沙羅に口出ししまくってたんだ……」
……いや、何かやる事あるだろ?
沙羅の料理の邪魔しかできないって、間接的に俺へのいじめだよね?
「だが俺達はやり過ぎたようだ。遂には沙羅がキレて『変な事言わないでよ!私が作った物が幸助君喜ぶんだから!』なんて言いやがる訳ですよ」
……沙羅が……?
沙羅の方を見ると、少し顔を赤らめてプイッと視線を逸らした。
……その反応………ナイスです。
「その言葉を聞いて黙っていられる訳がない。幸助も気になるだろ?俺達孤児院のメンバーの中で誰が一番料理が上手いか?俺達は料理オタク幸助に判定してもらうべくわざわざやって来たんだ!」
それと同時に火花を散らす各々。
俺の誕生日に何考えとんのじゃとか、誰が料理オタクじゃとかいうツッコミは多分KYな発言だと思うので止めておこう。
……誰が料理一番できるか……
梢さんでいいんじゃないの?
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