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しかし危なかった。
もう少しで男として何かが終わるところだった。
媚薬め、恐るべしだな。
「幸助さ~、私の食べてないんだけどどう判定してくれるの~?」
明らかに不機嫌そうな口調で俺に言ってくる綾さん。
そうだな、まあ食べてないものはしょうがない。
「80点で」
とりあえず忍と一緒にしとけば怒られはしないだろう……
「ちょっと幸助?なんで私があのアイスマンと同じなのかしら?」
ぐぁっくん!!!
そんな感じの効果音がしたので、その音の方向を見ると、忍が両膝と両手を地面につけて俯いていた。
……悪い忍……アイスマンはフォローできないわ……
そういう事で綾さんの点数を83点にしてその場は収めた。
ただ一人、どす黒いオーラを漂わせていたが……
「よっしゃあ!次は俺だぜ!」
そんな空気を変えるかのように声を弾ませて俺の前に正方形の箱を置く渡。
本当に太陽のような笑顔で、この輝きに女子は惹かれるんだろうなと思った。
「へっ、俺は忍のような失敗はしない!だいたい夏なんだから冷たい食べ物の方がいいだろ!」
確かにその通りだが、忍をこれ以上弄るのはやめような?
「という訳で俺の料理はこれだ!」
そう言って渡はその箱を蓋を取った。
「そばか!?」
「そうだ。手打ちそばだぜ!」
「まさか、これ……」
「もち!自分でやってみた!」
なんかすげえ胸がじーんときた。
うわぁ……素直に感動だわ……
三人目にしてようやくまともな料理を食べれる気がした。
間違えました。一人目もまともです。
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