うん

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  『……次は……駅ー』 ビクッ! 切符に書いてある駅の名前を呼ばれ、眠っているにもかかわらず、反射的に身体がびくついた。 ……危ない危ない。 そのまま過ぎる所だった。 今アナウンスされたって事は、後4、5分くらいで着くっぽいな。 俺は目を擦りながら、頭がまだ働かないような状態で窓の外を見る。 「……えっ?」 思わず、声が漏れてしまった。 その風景は、おぼろげではなく、確かに脳が記憶しているものだった。 そしてこの風景を見たのは……… 沙羅と初めてデートに行った時の帰りだ。 夕焼けが綺麗みたいなありきたりな会話をしていたのが鮮明に残っている。 ……じゃあ、俺が向かってるのって……? 期待の反面不安を抱えながら俺は電車が駅に着くのを足を震わせながら待っていた。 ……やっぱり…… 電車から降りて、ここが何処なのかを直ぐさま理解させられた。 ここは……俺が半年間暮らしていた地域だ…… 駅にもちゃんと見覚えがある。 俺はまた、ここに帰って来たんだ…… ……でも……だからといってどうすればいい? クビになった以上自由なのだが、前みたいに皆と接する事などできない。 沙羅にあれだけ酷い事言っといて会わせる顔なんてない。 だいたい学校も辞めてるし、こんな所に来ても俺がやれる事なんてない。 ……分かんねえ……なんで如月さんは俺をこの場所に戻したんだよ……? 「幸助君」  
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