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「バカバカバカァ!!もう知ってるんだからね!なんで一言言ってくれなかったの!?なんで勝手にどっかに行っちゃうの!?」
「……うん……」
沙羅が抱きしめる力を強くする。
……そうなんだよ沙羅……
俺はホントに大馬鹿野郎だから、こんなに沙羅を傷付ける事になったんだよな……
助け合えば……良かったんだ……
「『俺なんかよりイイ男探せ』?そんな人いる訳ないもん!私にとって幸助君がずっとずっと一番だもん!」
「……うん……」
……そっか……
沙羅も俺と同じだったんだな……
結局のところ、こんなに好きになった人がいるのに、他の人に目がいく訳ないんだ……
……ましてや……不本意な別れなら尚更だろう……
……やっぱり俺……馬鹿だ……
「私達すっごく頑張ったんだからね?幸助君を取り戻す為に、夏休みも惜しんで頑張ったんだよ?」
「……うん……」
「あの時の幸助君の言葉は……嘘なんだよね?」
「……うん……」
「じゃあ……
私の事まだ……好きですか?」
「……うん……」
「もう一度私と……付き合ってくれますか?」
「……ゔん……!!」
涙が出た。
そして強く沙羅を抱きしめる。
……この温もりが……ずっと恋しかった。
こんな事言えば沙羅に怒られるかもしれないけど、一旦別れて良かった。
離れていても、ずっと俺達は繋がっていた……
俺達の絆は……本物だったんだ……
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