出会い、そして事実

2/18
前へ
/413ページ
次へ
桜舞い散る道を俺は憂鬱な気持ちで歩いていた。 今日は俺が通う事になる海明高校の入学式だ。 入学式といえば、普通に生活を楽しんでいる人間であれば、勉強や部活、恋愛に大きな希望を抱いてその式に臨むのであろうが、俺にはそんな余裕はない。 俺がこうまで沈んでいるのには勿論理由があるのだが、思い出したくもない事だ。公表するのは控えたい。 一応言っとくけど、俺はこんな暗いキャラじゃない。少し前までは楽しい青春を謳歌する普通の学生だった。 まあ、勉強は………ねえ? だが今は色々あり過ぎた。まあそのうちいつもの調子になるだろうけど…… まあ分かると思うが今は登校中、しかし俺は最近ここに一人暮らしする事になったので、学校の位置が掴めていない。 現在地は、大通りの右側の歩道、右側にはパチンコ屋やラーメン屋、左側(道路の向こう側)は桜の木が邪魔でよく見えないが、ビルが並んで建っている。 しかしながら、桜が多すぎて周りの状況が把握し辛い。 このまま止まって考えても、埒が明かないし時間も危ないので、とりあえず先に進む事にした。
/413ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44583人が本棚に入れています
本棚に追加