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桜舞い散る道を俺は憂鬱な気持ちで歩いていた。
今日は俺が通う事になる海明高校の入学式だ。
入学式といえば、普通に生活を楽しんでいる人間であれば、勉強や部活、恋愛に大きな希望を抱いてその式に臨むのであろうが、俺にはそんな余裕はない。
俺がこうまで沈んでいるのには勿論理由があるのだが、思い出したくもない事だ。公表するのは控えたい。
一応言っとくけど、俺はこんな暗いキャラじゃない。少し前までは楽しい青春を謳歌する普通の学生だった。
まあ、勉強は………ねえ?
だが今は色々あり過ぎた。まあそのうちいつもの調子になるだろうけど……
まあ分かると思うが今は登校中、しかし俺は最近ここに一人暮らしする事になったので、学校の位置が掴めていない。
現在地は、大通りの右側の歩道、右側にはパチンコ屋やラーメン屋、左側(道路の向こう側)は桜の木が邪魔でよく見えないが、ビルが並んで建っている。
しかしながら、桜が多すぎて周りの状況が把握し辛い。
このまま止まって考えても、埒が明かないし時間も危ないので、とりあえず先に進む事にした。
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