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歩道を箒で掃いていた60歳くらいのおばあちゃんの話によると、ジグザグすれば着くらしい。
明らかに怪しいが、ここに住んでいるおばあちゃんの話だ。それに時間も迫ってきてる。
おばあちゃんにお礼を言うと、おばあちゃんはナンパなんて何十年振りかしら~とか言っていたが、無視して走っていった。
………おかしい………
確かに俺はジグザグに進んでいるはず……
なのに何故目線の高さに屋根があるんだ……?
「ニャー」
「ゴロニャー」
めっさ猫さん鳴いてますけど……
「ニャーニャー」
「ニャニャニャニャ!!」
しかしうるさいな……
「バウバウ!!」
俺は猫さんを静める為にちょっと吠えてみた。
「………」
おっ静まった。成功か?
「ニャァァァ!!!」
一気に来た!!!
結局、猫達の洗礼を受け、背中に猫さんを乗せながらその道を通る事になった。
皆、猫さんは敬うべき生き物だからね?
そしてたどり着いたは謎の場所、まだ朝なのに辺りは暗い。
あのくそババァ!!俺を騙したのか!!?
そもそもジグザグって何だよ!?めちゃくちゃ曖昧じゃねえか!!俺は泣く子も笑っちゃうくらい馬鹿なんだぞ!?誰がどう進めば猫の縄張りに行けるんだよ……
俺がおばあちゃんへの復讐心に駆られている時、何処からか声が聞こえた。
「離して下さい!!」
「いいじゃねえか、一回ぐらいデートしたって」
俺はその声が右側前方の通りから聞こえているのが分かった。
ちょこっと覗いて見ると、その通りは数十メートルで行き止まりになっていて、案の定ヤンキーみたいな男と女の子が揉めていた。
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