吸血鬼に会ったことある奴挙手

3/10
前へ
/162ページ
次へ
公園の真ん中で、こんな暑い日なのに真っ黒な長袖の……ワンピース?みたいな服を着た少女が。 そんな少女が、綺麗な満月を見上げていた。 「………………」 正直に言おう。 俺はその姿に見ほれていた。 まるで、その少女の周りの空間だけ、何か別の世界のような錯覚をしていたんだ。 侵すことのできない聖域。 まさにそんな感じだった。 「あ……」 しかし、そんな聖域はその少女が俺に気がついたことで消え去った。 「……あ?え、えっと……」 ヤベェ、冷静になって考えると、俺って変質者に間違われても文句言えないじゃないか。 じっと少女を見つめてるなんて……
/162ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加