26人が本棚に入れています
本棚に追加
「奈奈、優斗くん通るよ」
「ん…」
暗くてあたしの顔なんてわかんないかもしれない
でも、知って欲しかった
あなたを想って涙を流す人がいるってこと
「奈奈?だよな?一緒帰ろう」
五十嵐だった。
元野球部で、引退した今でもたまに練習に来ている。
あたしの幼なじみ。
「ん」
「お前、泣いてる?」
「泣いてない」
「泣いてるだろ」
「泣いてないって!」
言えるわけないじゃん
あたしの存在も知らないかもしれないけど
いるんだよ
優斗くんが、すぐそこに、
「てかなんでお前毎日こんな時間までいるんだよ」
呆れたように時計を見る五十嵐
「関係ないじゃん」
あたしはスクールバックで五十嵐をたたいた
その時だった
優斗くんの声が聞こえたのは
最初のコメントを投稿しよう!