プロローグ

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戦場の記憶だ。 その時俺は軍人で、その日も歩兵部隊の一員として軍支給の小銃をばかすか撃っていた。 その銃の先端には申し訳なさそうに、使われたことのない折りたたみ式の銃剣があった。 とにかく酷い戦場だった。 味方、敵の叫び声、銃の上げる轟音、火薬の匂い、人の血肉の飛び散る光景。 いつも以上に激しい戦闘だった。 この日は反乱軍が起こした暴動の鎮静だった。 向こうはかなりの戦力で押しつ押されつだった。
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