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この手は何なんだ? 僕はまだ人間なのかな? 尽きない疑問を抱きながら 雪を眺めていた 「おいガキ」 振り向くと赤い髪の怖そうなおじさんがいた それから 気がついたら 一緒にいた なんでかわからないけど 一緒にいると 少し安心した おじさんの名前はくろすっていうらしい。 師匠って呼びなさいってゆわれた AKUMAを倒すのが仕事だっていってた ある日、 困ってたおばぁさんを助けたら おこずかいをもらった 師匠に言ったら、 その日からこき使われた 仕事は大変だった 疲れるし 痛いし でも、 1番嫌だったのは 師匠が側にいてくれる時間が減ったことだった 仕事の帰り道 「・・・・・?」 気配 凄い速さで近づいてくる 逃げなきゃ 師匠に知らせなきゃ ここから師匠のいるところは遠くない だから 必死で走ってった 「師匠!AKUMAが―――――」 いなかったんだ 「師匠!師匠!」 いくら捜してもいない ―――――――! AKUMAが近い 壁のすぐそこにいるみたいだ 嫌だ 助けて 師匠っ 「っう――――」 少し大きめの鳴咽に自分でも驚いた ヒュッ―――――――――― 瞬時に逃げた 少し腹を切られたが 逃げるのが先決だ 走った けど逃げ切れるはずもない すぐに追い詰められた AKUMAは気持ち悪い笑い声をあげる 恐怖が一気に込み上げて来た 「―――し――――師匠ぉぉぉぉぉぉ!!」 ズガンッ 銃声が鳴り 目の前に赤いおじさん 「し・・・・しょ・・・・」 「わりぃな ちょっと野暮用があってよ」 あぁなんだろう この安心感は 不意に目が熱くなった 熱い涙がほほを伝う 「おいおい 男がなくんじゃねぇよ」 「だってっ・・・・し・・しょ・・・が・・・・」 師匠は悪かったって頭をなでてくれた 心臓の早さがゆっくりになる 師匠は魔法が使えるのかな?
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