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店の扉をやや乱暴に開け、外に出ると、町は最悪な事態になっていた。
「大変だ……」
リキは自分の手の平と背中が、じわりと嫌な汗でにじむのが分かった。
民家よりも遥かに高くて大きいサソリが町の入り口まで来ていたのだ。
例え家がレンガ造りとはいえ、ドラピオンが町を通っただけでも被害はまぬがれそうにない。
そして、この招かれざぬ客を連れてきてしまったのは
「…私のせいだ……!!」
リキは悔しそうに拳を握りしめた。
あのサソリは、砂漠で自分を食べ損ねたドラピオンに違いない。
きっと風に流されるリキ達を追って、ここまで来てしまったのだろう。
「くそッ!」
エサ2匹であんなに躍起(やっき)になったドラピオンだ。
このままじゃ町の人達は格好の的になってしまう。
「ナチ!どうやら私達が何とかするしか……ッて、あれ??」
確か、一緒に店の外に出たはずの相棒がいない。
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