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「ちょっとナチ!!」
まさかと思って店に戻ると、ナチが丁度、自分達が座っていたカウンターの椅子の下にいる。
何て下手くそな隠れ方だ!
リキが少し大股気味にナチに近づくと、緑色をした小さな体を両手で掴んだ。
「ドラピオンがここに来たのも、町の人が危険にさらされているのも、全て私達のせいなんです!隠れてる場合じゃないんです!!ほら行 き ま す よ !」
「ポポォ…!!」
何とか椅子の下からは引っ張り出せたものの、ナチも必死の抵抗で小さな手でカウンターにしがみつく。
ドラピオンの巨大な姿を今一度見て、すっかりおびえてしまったようだ。
「おいおい;可哀想じゃないか。こんなオチビちゃんに一体何ができるんだ」
周りの騒ぎに厨房から戻ってきた店主が、リキをなだめようとする。
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