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女はドラピオンの近くにそびえている高台にいた。
もちろん「化けサソリ」に見つからないように。
この街を危険にさらしているドラピオンを倒すくらいは造作もない事だが、それでは意味がないのだ。
女はポケットに入っていた携帯を取りだした。
電話張の「た行」までボタンを押し、自分にこの役を押し付けた勝手な上司に電話をかける。
「もしもし?やっと見つけたけど丁度やばい所だよ。‐‐分かってるって。いちを死にそうになったら助けてやるよ。‐‐うん、是非見せてもらおうじゃないか。
あんたの息子がどれ程強いのかを…ね」
女はニヤリと口元を上げ、電話をきって携帯を片手でパタンと閉めた。
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