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雲を突抜けそうなくらいまで飛んだ後、リキ達はゆっくりと落下していった。
紫の巨大なポケモンは大きく口を開けて待っている。
「やばいです!あれは化けサソリポケモンのドラピオン!!落ちてきて身動きがとれない所を期に私達を食べるつもりです!!」
『ボ?!!』
「何とかしないと…‥」
-ヒュゥ…-
「ッ!!」
その時、リキはわずかに追い風を感じた。
「……そうだ!!ナチ!最近覚えた技を!!」
『ポ!』
ナチは急いで頭の花から綿を出した。
ふわふわした弾力のある綿はリキの周りを囲む。
そこでもう一度強い追い風が吹き、綿が風の軌道に乗って何とかドラピオンから逃げられた。
『?!』
巨大な化けサソリは、久しぶりの獲物に逃げられて酷く腹を立てているらしく、地鳴らしをして砂を乱暴に巻き上げていた。
「…‥ふぅ、危ないとこでした。ありがとうございます」
「ポポ」
「ドラピオンが追ってこないか心配ですけど、とりあえず空中にいれば安心です。このまま風に乗って町に行きましょう」
風は静かに町の方角に吹いていた。
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