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「あら、意外に早かったわね。」
「…クリアリス、お顔が真っ赤…。」
「いや、大丈夫、問題ない。気にしないでくれ。」
ため息を付きながら、先程まで座っていたところに座った。
「さて…イリーナ。今回の件についての見解を聞きたい。」
「ええ…。あっているかは解らないけれど。」
イリーナは古びた本を見せる。
「先ずこれは…あの大きな骸が恐らく生前の時に書いた日記よ。途中で途切れているけれど…。」
この一族は代々、王の命令で魔物について研究していたらしい。
「魔物について…。」
「そう…そして…。」
魔物の研究は、やがて魔剣へと辿り着くことになる。
「魔剣!?魔剣ってまさか…あの…?」
「あれは作られた物だ。本物じゃねぇよ。」
「なら、この一族が研究したのは本物…?」
「恐らく。」
日記によると魔剣は元々魔王の城の地下に封印されていたもので、特別な許可で一度此方に移された。
「魔剣が城の地下に…!?フィー、知っていたか?」
「い、いえ…私は何も…。」
「…それで研究は?」
「研究するにあたり…封印を一度解いたみたいで…。」
魔剣は意志を持っている。
封印されてきた怨みを持っていた。
「…魔剣は、この一族に呪いをかけた…。」
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