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「!…お、脅かさないでくれ…。」
木の上から降りてくる。
怪我をした様子は見られない。
「漸く出来たか。運動したら腹減った…。」
「運動…。」
(運動で済ませていい戦いだったのか…恐ろしいな。)
クリアリスは苦笑いを浮かべた。
二人を連れて戻る。
「早かったですね。」
「ほんと、もう少しかかると思ったのに。」
既に支度は出来ていて、ユロがつまみ食いをしようとしている。
「イリーナ、読み終わったのか?」
「ええ。…ユロ、つまみ食いはやめて。」
「…はい。」
ユロがうなだれる。
リミルは隣で笑っていた。
「兎に角食事にしようぞ。余は腹が減りすぎて死にそうじゃ…。」
「そうだな、そうしよう。」
「よっしゃ、いただきます!」
「何故貴様が最初に食べる…。」
誰よりも早くジィノが手を伸ばす。
「俺は客だからな。…これ、作ったのフィーか?」
「はい。」
「やっぱりな。相変わらず上手いな~。」
上機嫌のジィノに視線が集中する。
「な、何だよ…俺の顔になんかついてるか?模様くらいしかないだろ?」
「そうじゃない。…皆、気になっているんだ。」
「はっ?何?俺の存在が…?」
「それもあるが。ジィノの言葉、一つ一つ、だ。」
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