偶然の出逢い

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魔界での生活や、ゼア達との関係。 言葉には、人柄を示す要素が十分にある。 つまりは、此方が今打ち解けるに値するかを判断している。 「ふぅん…情報は物によっては話してもいいが。基本的にはやれねぇぞ。」 「そんな事は解っているさ。」 「まあいいけど…ゼア、フィー。後で…話、しようぜ。言い忘れた事があるから。」 「うむ。」 食事を採り終わると、他愛もない話をする。 ゼア達は三人だけで話すようで、場所を移動していた。 「…クリアリス。」 「ん?」 腕を引かれる。 「ちょっと来い。ヨハヤ、暫くあける。」 「あ、はい。」 「…レイド…?」 森の中に入る。 「ど、何処に行く気だ?」 「……。」 皆の居る場所から少し離れた所で足を止める。 「クリアリス。」 「!」 腕を解放されたと思うと肩を掴まれて木に押し付けられる。 「…レイド…。」 「……。」 レイドは少し身を屈めて、クリアリスと視線を交わらせる。 (何だ…?) レイドの表情は、いつもと変わっていないように見えて、変わっているように見える。 (焦って…いるのか…?) 「…彼奴と。」 「えっ…。」 「彼奴と二人で居て、何かされなかったか…?」 「いや…何も、されてはいない…。」
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