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質問の内容に驚きつつも返答する。
「そうか…。」
「…!」
唇を奪われる。
軽く、優しい口づけだった。
「良かった。」
「レイド…。」
頬を染めながら、クリアリスは瞬きを繰り返した。
「俺も、男だからな。嫉妬くらいする。」
「嫉妬…。」
「…俺は…。」
(お前に対する執着は…誰より…。)
言葉に出来ず、自嘲気味に笑う。
「…レイド。」
「何だ…?」
「その…こういう言い方は失礼かもしれないが…。嬉しい。」
頬を掻く。
「…嬉しい?」
「嫉妬は…私だけしているのかと思っていたから。」
「クリアリスが…嫉妬?」
「そ、そうだ…私の方がずっと、嫉妬してる。」
レイドと恋人になってから、二人で出掛ける事が増えたのは当然のこと。
「レイドは何時だって人目を引く。…女性は必ず振り返るし、私が隣にいても話しかけてくる。」
恋人だと宣言したくても、クリアリスそうはっきりと言える性格ではない。
「…私は、確かに魅力はない。けど…私は…。」
「…もういい。」
「!」
今度は抱きしめられる。
「わかったから…。だが、心配することはない。」
力強く、抱きしめられて顔を見る事ができない。
「誰が何をしてきた所で、俺の心は揺るがない。」
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