508人が本棚に入れています
本棚に追加
変わっていく事に、薄々気づいていた。
なのに、何もしようとしなかった。
「今からでも遅くないなら、間に合うなら…親父を…王を止めたい。」
「…俺も、同じ気持ちだ。」
「私も、です…。」
三人は手を取り合う。
「…お前達はこの後、どっちに行くつもりなんだ?」
現在はフィーの出身であるレグノアンの領域内にいる。
魔界中から情報を集めるなら二手に別れた方がいいと、ジィノは提案する。
「メゴルーチェ、それにランドグラッドの領域。どっちもここからの距離は差ほどありません。」
「うむ…クリアリス達と相談しなければな。」
決定権は全員にある。
自分達だけでは決められない。
ゼアがそう言うとジィノは笑った。
(あの我が儘だったゼアが…そんなことを言うとはな。)
ジィノはゼアの耳を引っ張った。
「何をする!?」
「…俺はランドグラッドに知り合いが居る…そっちに行くから、クリアリスにはメゴルーチェに行くように進言してくれ。」
「わ、わかった。わかったから離すのじゃ!」
耳が上下に動く。
「ははっ…さぁ、戻ろうぜ。長居したら、心配されちまうからな。」
「う、うむ。」
クリアリス達とゼア達はほぼ同時に戻ってきた。
最初のコメントを投稿しよう!