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この程度で終わるはずがない。
「もしそうなら…魔剣は一体誰を一番恨んで居たのでしょう。」
「決まっておろう。…王族じゃ。魔界城の地下に封印されていたならば、間違いなかろう。」
「では魔剣は再び、城に…。」
「…私達はまた、魔剣と戦うことになるかもしれないな。」
クリアリスは話を区切らせた。
「魔剣についても調べることにして、今日はもう休もう。」
「火の番は?」
「俺が最初だ。」
レイドが火の番を引き受ける。
「なら頼む。皆、おやすみ。」
「おやすみなさい。」
森の中を歩き回った事もあり、全員疲れていたのだろう。
直ぐに寝入ってしまった。
一人を除いて。
「…なぁ。」
「…寝ろ。」
「いいじゃねぇか、少し話すくらい。そんなに毛嫌いするなよなー。」
「……。」
ジィノは起きあがって火を挟んだ向かい側に座る。
「お前も含めて…皆、いい奴だな。」
「急に何を言い出すかとおもえば…。」
「本当の事だ。…天使は、もっと、魔族を恨んでると思ってたんだ。」
天使からすれば、魔族は魔物を天界に送り込んだ敵。
恨んでいるのは普通のことだと考えていた。
「でも…そうじゃなかった。」
「…一つ、訂正しておく。」
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