はじめての彼氏

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デートではじめて手を繋いだら、もう黒川先輩じゃなくて下の名前で呼んだりした。だって私は、彼女だもん。黒川先輩じゃなくて、あの時はリュウくんって呼んでた。リュウくんは、私の知らない可愛くない女と、浮気してた。「こうしてるだけで幸せだ。」そう言って抱き締めてくれたリュウくん。私と寝るのはつまらないって、男友達に言ってた。 嘘ツキだったのに、気付かないで。自分はかっこ悪いし、みじめだ。私が一番好きだって言ってたのに。   ねぇ、恋人ってもっと楽しいもんだった気がするんだけど。 全然楽しくない。 浮かれたのは、最初だけで今は悲しい。 そしてそれより、どうしてって思う。 それっきりだった。 リュウくんは、あっけないぐらいに簡単にサヨナラ言っていなくなっていた。 この時に、私はわかったはずだった。出会いと別れはセットだ。 隣合わせで、おとぎ話見たいな永遠はない。信じることは、自由だけど。そして自分が愛しく思う人に去られたあとが、どんなに悲しいかも。もう人なんて好きになったりしない。そう一瞬でも思う、自分も嘘ツキだ。 だって、きっとダレかを好きになるから。
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