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ある日。
「おや?」
下駄箱に何か入っている。
封筒かな?
「まさか、これがあの伝説の白石……じゃない、ラブレターってやつ?」
ついにあたしにも春が来たか?
周りに誰かいないか確認……うん、いる。
「ていや」
ズドン!
目の前の下駄箱を蹴倒してやると、周りにいた学生がいそいそと消えて行った。
うんうん。素直でよろしい♪
何に対して素直なのか知らんが。
「さてさて、伝説の手紙を読んでやろうじゃないか。確か、自分フィールド上のカード一枚を相手に渡す。だったかな?」
ノリ付けされた封筒のフタを剥がし、手紙を取り出す。
どれどれ。
『放課後。川原で待つ。
必ず一人で来い。』
「短かっ!? なんか果たし状みたいじゃん! てか果たし状か!?」
もしこれがラブレターとやらならあたしはラブレターをそうとう勘違いしていた事になるけれど。
「ここら辺で川原って言うと……裏手の川か?」
うん? 裏手?
裏手……裏……校舎裏か!?
「校舎裏って言ったら告白のベストポジションじゃん! うん、わかった。多分この手紙の相手はそうとうな恥ずかしがり屋さんだね?」
素直に気持ちを書けずに乱暴で端的な内容になって、緊張で校舎裏と川原を間違えたわけだ。
せっかちさんめ!
「……だったらいいな、と夏火は夏火は、希望的な事を宣言してみる」
でも校舎裏は見に行ってみる。
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