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◇
「なんだこりゃ……」
戦技訓練を見た第一印象は正にそれだった。
ガルンにとっては普通に護身術程度の訓練を繰り返してるようにしか見えない。
それも……魔法を一切使っていない。
ガルンのイメージでは魔法を撃ちあったり、戦いながら魔術を使うような訓練と思っていた。
「君、例の新入生?」
唖然とその様子を眺めているガルンに声がかかった。
真横には青い髪をスラリと伸ばした女性が立っていた。腰辺りで封緘で髪を縛っており、端正な顔立ちに眼鏡が良く栄える。
年齢は明らかに20歳は越えていそうなので研究生か、教師と言う所であろう。
「あれは何やってるんだ?」
ガルンは疑問を素直に声に出した。
その言葉に女性は眉をしかめる。
「何って戦闘訓練じゃない?」
「戦闘訓練? いやだって魔法使って無いじゃないか?」
「……? だから戦技訓練じゃない」
「……」
ガルンは沈黙した。
想像と何か違う。
黙りこくった女性は背中の長剣を見て、
「なるほど」
と頷いた。
「貴方、魔法剣士だから疑問に思ったのね」
「魔法剣士……」
ガルンは人差し指で頬を掻いた。
勘違いは有り難いが、何か突っ込まれたらマズイ。
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