友情

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「ゆ、幸野!おはっ、お、おはっス~!!」 下を向き、真っ赤になりながら一宮は(知ってる人は知っている)番長のおはっスコールを掛ける。 それだけでも十分バカっぽさが笑いを呼ぶのに、それを行った場所もバカだった。 なんと、校門の両石柱をくぐったすぐ目の前のシンメトリーになる位置で、大声出しているのだ。 一宮を知ってる人にとっては恥ずかしさの極みだ。 恥ずかしいのは、本人も同じ。 周りが笑いだしていたが、気にする余裕はなかった。 幸野は、唖然として目の前にあるものを見続ける。 「い…一宮、せん、ぱい?」 「お、おはっス。」 なおもおはっスコールをし続ける一宮。 「お、おはっス…っす。」 通り過ぎる瞬間に、囁くくらい小さく返す幸野。 これでもかなり恥ずかしい。
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