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一宮たちが付き合ってからの毎日は、いままでの幸野の学校生活とは離れたものになってしまった。
クラスメートから上級生、果ては教師にまで一宮との交際のことについて聞かれ、答えるのも疲れるようになり。
密かな親衛隊らしきものに入っていた奴らには恨まれるようになった。
「・・・疲れさせて、すまない。」
手を繋いで下校していたとき、ずっと下を向いていた一宮がぽつりと呟いた。
「いえ、大丈夫です。大した被害も無いわけですし…!!」
実際にはまぁ、ご多分に漏れず小学生レベルの嫌がらせを受けていたが、一宮に心配かけないように明るく努めた。
「そうだな。ありがとう。」
今にも散ってしまいそうな花びらを思い出させる笑顔を見せる一宮。
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