奇跡の子

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「じいちゃんっ!ばあちゃんっ!」 管理タワーの中に入ったシンは祖父母を見つけると声をかけた。 「おお、来たか来たか....」 「いらっしゃい....早かったのね。」 2人は裕太とレイには目もくれずにシンを連れて奥に向かい歩き出した。 「あれどうよ?」 裕太は呆れながらも嬉しそうにレイを見た。 「ふふっ....」 レイは優しい目でそれを見ていた。 「裕太っ!」 聞き覚えのある声に裕太が振り返ると、そこには実力者、天老院が笑顔で立っていた。 「じじぃ!まだ生きてんのかっ!?そろそろ血管が詰まる頃じゃねーのかっ!?」 「バカたれがっ!わしは再婚して若い嫁さんを毎晩ヒーヒー言わすんじゃ!まだまだくたばったりせんっ!」 「お!?何夢みたいな事抜かしてんだかっ!?間違って再婚した直後に腹上死かぁ?ギャハハっ!」 心界と天界を束ねる力を持つ天老院と天国一の力を持つ神の会話は常にこのレベルであった。 しかし、里沙同様に絶対の信頼関係があるからこその憎まれ口でもあった。 「ところで裕太、下界はどうするつもりじゃ?」 天老院の言葉に裕太の表情が変わった。 「とりあえず日本のトップの意識を変えねーとな....」 戦争を回避するには各国のトップを抑えるのが近道だ。 「テロリストだけを抑えてもな。」 天老院は裕太を見ていたが思い切ったように告げた。 「直接話してわかるかどうか....奴らも自分を見失っとる。」
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