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天国中枢部・天議会
天国を平和に運営していくために各省庁の代表と議員が集まり意見交換並びに新法設立などを行う神聖な場所である。
天議会は今、ある問題で騒然としていた。
「人類は常に過ちを繰り返してきました!下界が滅亡するならそれも定めと受け取るべきではありませんかっ!?」
この男....名前は八戸良治。
享年30歳。
第二次世界大戦中ビルマ....現在のミャンマーで「隻眼の猛虎」と敵軍に恐れられた強者。
正義感に強く、曲がった事と軟弱な男を酷く嫌う。
「しかし、何とか出来るものなら無駄な努力でもないと思いますが....」
反論したのが長沢銀八。
享年40歳。
冒険家として北極圏やエベレストなどを征服した自然派。
「八戸さん、あんただって自分の生まれ故郷が消えるのは平気ではないでしょう?」
長沢の言葉に八戸が詰まった。
「そ、それはそうだが....」
今、下界は滅亡の危機に直面していた。
5年程前に大国が途上国に侵攻するという出来事があった。
対立する国は激しく抗議をし、国連もそれに賛同したが大国は武力による侵攻、制圧を止めようとはしなかった。
途上国からの報復テロが大国に襲いかかった。
老若男女問わず犠牲者が出た。
それに対し大国も圧倒的な武力による報復を行った。
報復の報復....
虚しい殺し合いが激化していく中で、途上国の後ろに大国の対立国が見え隠れしていた。
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