奇跡の子

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「ねえねえ、祐子ちゃんてどうしてそんなに可愛いの?もう間違いなく天国一の美人天使だよねーっ!」 天国居住区の中にある公園のベンチで、隣に並んで座る天使を褒めまくっている、いかにも軽そうな少年がいた。 「ねえねえ祐子ちゃん、次どこ行く?映画?カラオケ?それとも....」 祐子ちゃんと呼ばれた天使がため息をついた。 「はぁ....シン君て本当に元気ね....」 「そりゃそうさっ!だって今日は憧れの祐子ちゃんとの初デートだものっ!もうテンションマックス!ねえねえどこ行く?」 祐子はもう一度ため息をついてからシンを見た。 「あのねシン君、私は見た目は小学生くらいかもしんないけど、あなたが生まれた時からよーく知ってるの....確かにあなたはあっと言う間に大人っぽくなっちゃったけど、私の中では可愛い弟みたいなものなの。」 だからそんな恋人気取りしないで欲しいと言うつもりの祐子だったが、シンはめげなかった。 「そんなん関係ないじゃん!だって俺、生まれた時から祐子ちゃんの事が大好きなんだからっ!」 祐子は更に深いため息をついてから立ち上がり、思い切って告げた。 「ごめんなさい....私、好きな人がいるの....シン君とはずっと仲の良い姉弟だよ。」 これにはシンも愕然として固まった。 「え?好きな....人?」 祐子はシンに背中を向けた。 「私行かなきゃ....大天使院で会議があるんだ....お姉ちゃんたちが待ってるから....またね。」 飛び立つ祐子にシンが叫んだ。 「俺っ!諦めないからっ!祐子ちゃんの事が大好きだからっ!絶対に諦めないからっ!」 シンの叫び声を聞きながら飛び立った祐子の目から、涙がこぼれ落ちた。 「ごめん....シン君....」
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