-母の過ち-

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    「かりん、逃げちゃだめよ。」 優しい口調で語りかける彩。 しかしその言葉と同時に、ひやりとしたものがかりんの頬に触れた。 「痛いの好きでしょ?」 つつぅーっとナイフを動かす。 かりんの頬から赤い液体が溢れ出した。 そしてその液体はナイフをも赤く染めた。 「いっ……。」 血を見てさらに興奮したのか、ニタニタとにやける。。 「ふふふ。」 怪しく笑い、ナイフをかりんの喉元にあてがった時だった。 《ブー。》 チャイムが鳴った。 彩はそれを無視し、行動を進めようと手に力を込めた。 「警察だ!ここを開けなさい!!!!!」 「え…?」 今度は彩の顔が急激に強張った。 手は振るえ、今にもナイフを落としそうだ。 …今だ。 今しかない。 「あぁぁぁぁぁああ!!!」 かりんは残った力を全て使って叫んだ。    
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