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《バンッッ!!》
玄関の扉が破られ、警察が部屋の中に押し寄せる。
「………!」
《カラン。。》
このじめじめした天気には似つかわしくない、乾いた音が部屋に響いた。
彩の手に握られていたナイフが虚しく床に転がった。
その様子を見た警官の一人は眉間に皺を寄せ、大声ではっきりと言葉を発した。
「付近の住民から虐待の疑いがあると通報があった。八坂彩、児童虐待の現行犯で逮捕する!!」
固まる彩。
そんな彩に構わず、先ほどの警官が周りの警官に命令する。
「連れて行け。」
「い…嫌。。」
「来い。」
二人がかりで彩の両脇を固める警官。
歩こうとしない彩を無理矢理引きずっていく。
「い、嫌なの……嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁあぁぁぁぁぁああ!!!!!!!!!」
彩は突然、号泣した。
「かりん、かりん、かりん!!!」
かりんの名を呼び手を伸ばす。
「いい加減にしなさい。」
野太い声で警官が彩に言葉を放つ。
「かりんは、私の…ウッ。。」
嗚咽を始める彩。
「ウゥツ…かりんっは、私の…ヒック、、大事な…大事な…娘なのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおぉぉぉぉぉおお!!!」
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