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先生の説教が終わってあたしはひとりで帰っていた
……………………
誰かにつけられてる気がする…
あたしはさっきよりも少し速めに足を前に進めた
後ろの足音も少し速くなった
確実につけられてる…!
怖い…!
あたしは後ろを見ずに走り出した
後ろの足音もどんどん…走って近付いてくる…
ガッ
あたしの腕は“後ろの足音”につかまれた
「ぃやぁぁあ!」
『うざっ!』
「へ?」
その人は同じ中学の制服を着た男の子だった
『お前なぁ…スカート!』
「へ?」
自分のスカートを確認した
『後ろ!』
あたしのスカートは背中にからったリュックで上に上がり、下にはいていたピンクの下着がまる見えになっていた
あたしは慌ててスカートを戻した
「あ…ありがと」
『言おうと思ったら逃げ出すからな(笑)びっくりした(笑)』
「ご、ごめん…」
『いいって♪』
「あの…名前は…?」
『佐野彰!』
「彰君…」
『彰でいいよ!』
「あ…あきら…」
名前呼ぶだけなのに…
こんなに緊張する…
『君は?』
「山本…紗英」
『紗英♪』
「あ、はい」
『今度から気をつけてね!じゃあ、また明日♪』
彰はスキップをしながら紗英から離れて行った
彰は制服のポケットからシャーペンを落とした
あたしは慌てて拾って彰の名前を呼んだけど聞こえなかったみたいで彰は帰ってしまった
明日…
探してみよ…
でも学年もクラスも分からない
………あたし頑張る
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